インボイスってどうなの-番外編
インボイスのおさらい
少し前に、ブログで【インボイス制度】の問題点についてお話ししました。この制度は、正しい【消費税】についての正しい理解がないと、今までが益税だったんだから、導入されて当然だと思いがちです。しかし、価格決定権において立場が弱い、フリーランスなどの小規模事業者の多くは、【インボイス制度】が導入されることにより、年間売上高の約10%が吹っ飛んでしまうということになるのです。これは実に大きな問題で、この新たな制度により、廃業を余儀なくされる事業者が出てくると予測されています。
新聞記事では
今朝の新聞で、「フリーランスの消費税軽減 インボイス対応 売上税額の2割に」という記事がでました。この記事によりますと、「納税を免除されてきた事業者が課税事業者にかわる際、納税額を売上時に受け取る消費税の2割に抑える。2023年10月から3年間の措置で円滑な制度導入をめざす。」となっています。
猶予措置は誰のため?
この記事を読んで、先ず、また新聞社は読者を混乱させる説明の仕方をしていると思いました。それは、「売上時に受け取る消費税」という表現で、これは、「消費者が納税義務者で、商品・サービスを購入するときに事業者が預り金として消費税を預かっている」という、間違った前提での内容です。以前のブログにも書きましたが、「納税義務者は事業者なので、消費者が払っているのは商品やサービスの対価の一部」に過ぎないということなのです。
今回の猶予措置の発表の内容は、「消費者から預かっている消費税を納税するのは当然だけど、いきなり全額というのはかわいそうだから、3年間は猶予してあげる」といったことに読み取れます。年間売上の約10%が吹っ飛ぶはずだったものが、猶予措置により、3年間だけ約2%で抑えられるのですが、果たして、今後3年間で消費税分を価格に転嫁できない弱い立場の事業者は、何か変わることができるのでしょうか?
支持率の低下傾向が続く岸田内閣。本当に何のための猶予措置なのか、その真意が透けて見えるような気がします。
皆さんは、どのように思いますか?