不動産業界のDX化⑤
デジタイゼーションとデジタライゼーション
デジタイゼーション(Digitization)とは単なるデジタル化です。例えば紙ベース管理をしていた顧客リストをデータベース化したり、人の手作業で行われている、コピー・アンド・ペーストを中心とした反復定型業務をRPA(Robotic Process Automation)を活用し自動化することなどです。デジタル技術を活用する初期の段階で、目的としては業務効率やコスト削減となります。
デジタライゼーション(Digitalization)とは、デジタル技術を活用することで、自社の業務プロセスの見直しを行い、新たな価値を創造していくものです。例えば、販売店などで、帳簿をExcelで管理はしているが、他のシステムとは連動していなかったものを、POSレジを導入することで、販売データをベースにした受発注がシステム化され、最新のデータを基にした多角的な売上管理や販売分析が可能になったことがあげられます。社内変革につながるものです。
DXって
改めてDXとはということになりますが、デジタライゼーションに近いですが、社内の変革だけではなく、デジタル技術を活用して社会全体の変革につなげていくということです。
先日の大宮で開催された「中小企業フォーラム2022」で、埼玉県庁の方がご説明に使われておりましたが、電車の切符をSuicaに変えたのが、デジタライゼーションで、そのSuicaを駅だけではなく、コンビニなど、様々なところで電子マネーとして利用できるようにしたのがDXということでした。
DXをどのように進めるか
では、我々小規模事業者はどのようにDXを進めたらいいのでしょうか?
いきなり、DXの段階まで実行するには、お金も人材も時間もないというのが、正直なところでしょう。なので、私の経験上、先ずはデジタイゼーションに集中して進めた方がいいと思います。そのためには、デジタイゼーションをすすめる対象の業務を整理しましょう。ポイントは、紙管理の業務、人手がかかっていて効率が悪い業務です。
業務の整理が終わったら、それをどのようにデジタル化するかを検討しましょう。
先ず、定型的で反復業務があった場合は、費用対効果が比較的高い、RPA(Robotic Process Automation)の導入をはかるのがいいと思います。
次回は、この「RPA」について実体験をもとにご説明していきます。